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ICF「国際生活機能分類」①・・「生活」を考える出発点・・VETミッション・・・No.40・・5月6日発信


 このVETミッションのNo.35・36・37・38で取り上げてきた「国際生活機能分類」(ICF・)について、此処で簡単にまとめておこう。

「国際生活機能分類」は、「WHO国際障害分類」(ICDH・国際疾病分類の補助分類とし

て1980年に発表)の改訂版として2001年世界保健機関WHO総会で採択された。この経過があるため、日本では関係者間で「障害」に関連する問題の見方が、上記の図に見るように「WHO国際障害分類」で、「疾患など」⇒「機能・形態障害」⇒「能力障害」⇒「社会的不利」と言う構造で考えられていたものが、「健康状態」全体を心身機能・身体構造と活動・参加に分類し、その原因因子として環境因子と個人因子に整理したことで、「障害」の見方が、「障害」を問題

としてみなすのではなく「一つの状態」として見る見方に変化したという点に注目する傾向がある。 

 この物事のとらえ方の変化に関しての評価は重要だが、この「国際生活機能分類」の本来の意義は、人々の生活行動の分類(分析)枠組みを示した点にこそ、大きな意義がある。

 そう考えるのには、理由がある。それは「生活」と言う漠然とした用語(概念)に具体的な肉付けを行ったことである。例えば「生活目標」とかいう場合も、それを言う人の主観的な「生活」の(一部)側面でしか触れていない場合が多い。しかし、それでは「総合的な営為である」「生活」の全体像が見えておらず、結果的に目標実現に向けて回り道になる可能性が高い。特定の分野に集中するにしても、何を捨てているのかを自覚していないと、身体的無理などを発生させやすく、人生を楽しみにくい。「ワークライフバランス」としばしば言われるが、その場合の「ワーク」や「ライフ」の内容に関しても主観的な内容である場合が多い。

 この様な主観的な理解が個人的な問題に留まるなら、その影響はその個人にとどまる。しかし、他者に働きかけを行う対人支援の業務を行う場合は、何処がどうなっているのかを観察し、考える枠組みが偏っていると適切な支援や問題解決に進めない。関係者間で共通に事柄を整理する枠組みを持つことは、(問題解決に必須の)科学的取り組みの基本中の基本である。その意味でも「国際生活機能分類」は、様々な生活上(人生を生きていく上で)の困難を抱えている人への支援を行う場合、この原因がどこにあるのか、何を支援すれば問題が軽減、あるいは解決するのかを分析的に考える基本である。なお、分類枠組みだけの問題ではなく、分析的の取り組むにはその分類領域での問題がどのレベルなのかと言う評価尺度(=判断基準)も必要である。残念ながら「国際生活機能分類」では、この点に関しては不十分の点が残っている。

 この点は、いわゆる対人支援のみにとどまらず、子どもたちの成長支援(学習支援)なのでも大きな問題になる。国際的な学習の理解では「学習の四つの柱・・『学習-秘められた宝』」(ユネスコ21世紀教育国際委員会)でも、「どう生きるか」の学びを支援することになっているが、日本では「人生」や「生活」に関する共通理解が乏しく、これがうまく行っていない。(子どもの自殺者が増える原因の一つとも言えるだろう。)

 つまり、私たちが、「生活にはどんな側面があるのか」に関して、「国際生活機能分類」位の一定の理解を持っていると、生活を楽しみ、人生を楽しみやすくなるという事である。では、「国際生活機能分類」は私たちの生活をどのように分類しているのか、整理して見よう。これは、次回以降のお楽しみ・・。今回はここまで。

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ご意見ご質問・送付先・ kawateikaikyo@yahoo.co.jp (泣いた赤鬼・川廷 宗之・記)


 

 


 
 
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