「暗黙知」と「形式知」・「楽しく生きる」ためのコミュニケーション・VETミッション・・・No.55・・2026年8月19日発信
- 川廷 宗之(Motoyuki Kawatei)

- 15 時間前
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カスハラが起きる理由の第1としては、支援担当者と顧客間の意思疎通(コミュニケーション)の不足を上げることができる。しかし、現実的には、カスハラの一部は、それ以前の、顧客が最初から支援担当者(店員など)を弱者と見做してハラスメントを意図的に行ってくるケースもありえる。この場合は、意思疎通不足とばかりは言えない。が、相手の言動から、その意図も見抜けられれば(意思疎通できれば)、ある程度は防止できることもある。
意思疎通とかコミュニケーションに関しては、色々な理解の仕方や考え方があるので、一概には言えないが、取り敢えず、カスハラ対策につながりやすい問題を一つ上げておこう。それは、表現したい内容(暗黙知)と表現された言葉(形式知)のズレという問題である。
言い換えれば、言語(形式知)は、顧客(相手)が表現しようとしている事(暗黙知)の一部しか表現できていないということを意識した会話を行うことである。「言動」と考えて、動作などの非言語(ノンバーバル)なコミュニケーションにも注意を払う必要はあるが、それだけでも不足である。

特に、専門的な関係でのコミュニケーション場面では、対話のテーマが絞られており、しかも、時間も限られている。従って、相手(顧客)の全体像を理解しないまま、表現された内容(形式知)だけで意思疎通を図ろうとすると、うまくいかない場合も多い。なぜなら図-1に示す様に言語(形式知)は伝えたい事(暗黙知)の言語化可能な部分しか表現していないからである。しかし、これは言わば当たり前なので、多くの場合、表現された内容から、暗黙知として表現されていない部分を推測で補いないながら、聞いていく。がここで考えておかなければならないのは、その補っている暗黙知は聞いている(支援者)の経験などからの暗黙知(経験知)であり、相手(顧客)の暗黙知(経験知)ではないという事である。そのため、支援者は自分の暗黙知(先入観とも言える)を捨てて、相手の暗黙知部分を相手の話の中から読み取って(推測して)いくことが必要になる。

さらに、もう一つ考えておかなければならないことは、この暗黙知は図-2に示すように様々な要素から成り立っているという点である。さらに言えば、情緒や感情を含むこれらの要素の内容は一定とは言えず、時間の流れの中で変化していく事である。当然、顧客の形式知には支援者側が発した(知識に限らない)様々な情報が組み込まれて言葉による表現が変化していく面もある。
このような配慮のもとで、相手(顧客)が求めている内容をより的確に把握できれば、より適切な対応が可能になり、楽しく仕事を続けられるであろう。
カスハラに合わないためには、先ずはこのような「言語(形式知)」コミュニケーションの限界を心得ておく必要がある。その上で相手がどういう暗黙知(経験知)を持っているかを推測していくために、様々な事例集や、小説などの、人間の言動に関する省察を含む資料を、読んだり聞いたりしておくことも重要である。特に、専門的な関係では、全く生活経験の内容が異なる(住む世界が違う)人との意思疎通を図らなければならない場合も少なくないので、その経験を補うには、小説は好都合である場合が多い。
親しい人との間では、お互いに相手の様々な暗黙知をある程度理解している場合が多い。これが進むと「あ、うん」の呼吸で意思疎通ができる様になったりするが、これは、相当の歳月を一緒に過ごしているごく限られた人の間で成り立つ意志疎通であって、普通はそういうことはない。昨日と同じ顧客であっても、(経験の積み重ねは大切だが、)相手の変化を予測しつつ、日々新たな感覚で対応していくことが重要である。
暗黙知と形式知の問題も、コミュニケーションについても、個々の表現できているのは、まさに、この文字数で表現している内容でしかない。此処には触れていない様々な課題については、機会を見て順次触れていくことにしよう。
(泣いた赤鬼・川廷 宗之・記)
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