求められる「専門的」他者理解・・「相手」の状況を考えて「楽しく」仕事・・ VETミッション・・・No.56・・2026年8月26日発信
- 川廷 宗之(Motoyuki Kawatei)

- 7 時間前
- 読了時間: 3分

カスハラが起きる原因の第2は、起きている問題の内容自体に顧客にとっての無理がある場合である。素人である顧客に対し、業界での常識を説明もなく適用するのは無理がある。
たとえば通販などの場合、物を販売した業者が資金回収を別会社に委託している場合がある。こういうケースはしばしばあり、業界関係者では常識なのだろうが、現金払いで物を買うのが普通の人にとっては、返品したのに請求がきたりするのは、理解できない。こういう場合、購入者は返品に関して2社と交渉しなければならず、この2社が業者間で責任を擦り付け合って、購入者側の要求に中々応じない場合も少なくない。結局、想定外の様々な面倒な手続きを求められた購入者は、話が違うと、「強い抗議」をするしかない。

こういう場合、業者側の担当者が「カスハラを受けた」として、担当者も業者(会社)も問題処理を行う様だが、これは、消費者や担当者の問題というよりは、業者の都合を購入者に(解約や返品手続きがどれだけ手間暇かかるかを)きちんと説明しないで、売りつけるところに問題があるというべきだろう。
しかし、通販などの場合は、声によるカスハラで終わるが、対面での仕事の場合は、顧客にとっての理解の限界を超える無理が昂じると、それで終わらない場合も少なくない。極端な例であるが、最近ではケアマネさんが利用者から殺されるという事件があった。少し遡ると保護司が担当の保護観察中の対象者から殺されたこともあった。少し古い話になるが、中学の教員が学校内で生徒に刺されて亡くなるという事件もあった。直接面談しながら進む対人援助の場合のカスハラの最も極端な例と言える。ここまで至らなくても、直接的な暴力を振るわれるケースも多々ある。
これらの強烈なカスハラ事件がなぜ起きたのかに関しては、様々な理由(原因)がある筈であり、その分析が必要である。しかし、強烈なカスハラを行った側は殺人犯(暴力犯)であり、支援者であった人は被害者なので、その理由(原因・動機)が細かく分析されることなく単なる殺人(暴力)事件として処理されて終ってしまう。

その理由(原因)についてこの短文では細かく触れられない。が、仮説として一つ上げておけば、支援者が常識(的事項)と考えている内容が、(弱い立場にある、あるいは何らかのハンディを背負っている)相手に伝わっていなかった、あるいは、相手がそれを理解できていないという事に、支援者が気付いていなかったという点が想定される。こういう場合の相手を理解するには専門的な力量も、然るべき経験(経験知・暗黙知)も必要なのだが、現在の諸制度では、それらに対応する制度、あるいはその力量を養成する制度に不備がある場合も多い。
現実に、カスハラ事件は減ってはいないし、曖昧な対応で済まされている例も少なくない。しかし、対人支援の場合は、シリアスな問題を扱うだけに、危なっかしい場面を避けるわけにはいかない場合が多く、その意味で、キチンと問題分析を行って、その学びの中から、相手がカスハラを行わざるを得ない状況に追い込まない支援を行っていく必要があるだろう。
(泣いた赤鬼・川廷 宗之・記)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〇このVETミッションの内容に対しては、色々なご意見(異見)があり得ると思います。よろしかったら是非、投稿いいただければ幸いです。
