「楽しい」&「楽」に暮すには、生活費が必要だ。VETミッションNo.6 2025年9月10日発信
- 川廷宗之
- 9月11日
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「楽」に暮らせるためには、まず、その基盤としての「生理的欲求」が満たされる生活費が必要だ。日本の最低賃金は2025年に平均で時給1121円になった。この時給で月収を計算すると1121円×8時間×5日×45週÷12月=168,150円になる。月額の必要経費を標準生計費(人事院等資料)で見ると、一人世帯で125,060円、二人世帯で168,430円となっている。この点だけから見ると、最低賃金でも年間きちんと働ければ、一人暮らしは何とか「楽」が出来そうに見える。二人世帯だと足りない。(なお、標準生計費の試算表には住居関係費が一人世帯より五人世帯の方が少なくなるなど、理解に苦しむ点が少なくない。)
以上の事から「楽」な暮らしを考えるなら、すべての人が最低賃金以上で働けて、標準生計費以上の収入を得られる様な社会的仕組みを作ればよいという事になる。しかし、色々な事情で働けない人も少なくない。
実際問題として、それなりの収入のある人達は、非常に乱暴な試算をすれば、正規労働者3709万人、年金受給者約3,000万人などを含め、約1億人と想定される。とすれば、何も収入を得ていないかもしれない約2000万人の人たちのベーシックインカム(最低収入保障)が課題となる。
ベーシックインカムには、既に色々な議論があり、財源がないからという理由で否定的な見解が多い。しかし、問題は一人一人が「楽しく」暮らせることが社会の課題であり、単なる財源論だけで片づけるべきではない。さらに生活費の最低保証があれば資金は(貯蓄に回らずに)使われて回転しやすいので、結果的に10%の消費税が数回転で国庫にはいり、ベーシックインカムの財源になって行くという点にも充分留意が必要である。お金が回転し好景気になれば「生理的欲求」は満たされ、とりあえず「楽」に(「楽しく」も)暮らせる人が増える。
すべての人に最低生活保障を実現するには、現行の複雑な仕組みが障害になるが、これも財務を含めたマイナンバー制度が機能すれば解決は可能である。「生理的欲求」の保障はすべての前提だとすれば改めてベーシックインカムについて検討してみる必要があるのではないか。
ご意見送付先・ kawateikaikyo@yahoo.co.jp (泣いた赤鬼・川廷 宗之・記)
