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自分が「楽し」ければ、仲間も「楽しい」はず。・VETミッションNo.14・  2025年11月5日発信

 しかし、日本では、この無邪気な「楽しい」子ども集団は、急速に崩壊していった。こういう子ども集団が成り立つ前提であった、自然環境や住宅・コミュニティ環境が大きく変化し、そして何よりも急速な少子化と、それに伴う家庭や家族の在り方が大きく変化(一人世帯化)していったからである。

 環境は大きく変化した。少子化によって同じような年齢の、対等で相手を思いやらなければ成立しない遊び仲間が減ってしまった。比較的安全で楽しめる発想のネタを提供してくれていた(違う発想や行動力が鍛えられる)里山などの自然環境は急激に減ってしまった。また、様々な電子機器(テレビやゲーム機やスマホなど)が生活のあらゆる側面に入り込んで、自由な発想を育む遊び時間が減ってしまった。個別の家庭環境の(特に)経済的格差の広がりや、それに伴う大人(親)の意向が、子ども同士の素朴な人間関係を奪っていった。

 この様な環境の変化は、直接的な人間関係体験の中で、お互いから学び合う(人間関係に関する暗黙知を修得する)機会は大幅に減少していった。結果、自己中心的なゆがんだ自己実現に気が付かない人が多くなってきている。「自分が「楽し」ければ、仲間も「楽しい」はず」だと思い込んでいるので、周りを振り回していることに気が付かない。また、(リアルな自然環境の中で)初めて出会う様々な現象にどう対応していくか、自分で考え、取り組んでいく発想力や行動力を学びつつ修得する力量も得難くなっていった。

 これらの結果、ともに「楽しむ」仲間や親密な人間関係を作れずに、発想を広げて創造的に対応していく「楽しみ」、ある種の「自己実現」を目指すこともできない、結局、人生を楽しめないが増える結果となっていった。

 これを乗り越えていくためには、乗り越えていく学習支援が重要になる。ではどういう学習をすればよいのか。どういう支援が望ましいのかについては、次回の課題としよう。

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ご意見送付先・  kawateikaikyo@yahoo.co.jp    (泣いた赤鬼・川廷 宗之・記)

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